リーバイス　５０１ＸＸ（米国製　３３５０１）ＮＲＡタグ付

　リーバイスジャパンが発売した限定５００本の日本製３３５０１とは別に日本では流通しなかった米国製３３５０１が、この３３５０１ＮＲＡと呼ばれるモデルです。

　ＮＲＡとは全国復興庁の略で、ニューディール政策の一環として施行された全国産業復興法に基づき１９３３年に設置されたお役所です。リーバイスはこの法律を支持し、ジーンズなどにＮＲＡタグを付けて販売していたとのことです。なるほど、１９３３年からＮＲＡタグが付き始めたのならＮＲＡタブの付いた５０１ＸＸは３３５０１ッスね。なぜ３３５０１のナンバーが付けられたのか不思議だった国内流通の３３５０１よりもかなりの説得力です。
　参考までに、１９３３年この法律によって初めて労働者の団結権、団体交渉権が法的に承認されましたが、１９３５年、米国最高裁は共産主義政策であるニューディール政策に基づき設置された全国復興庁（NRA）を満場一致で違憲と判決したため廃止となりました。よってＮＲＡタグの付いた５０１は１９３３年～１９３５年までの超短命レアジーンズです。デッドストックで発見したらちょっと欲しいッスね！（いくらするっつーねん）

写　　　　　　　　　　　　　　真	備　　　　　　　　　　　　　　考
	○全体図　シルエットは日本製３３５０１に比べてこちらの方が股上が深く、レングスは太めのシルエットになっています。さすがワークの時代のシルエットです。生地のオンスが低い分かなり夏は穿きやすいはずです。
	○パッチ　パッチの取り付け方は後付けです。　レングス表記３８インチも海外流通品ならではだなと思わせる細かいところですね。
	○ＮＲＡタグ　３３年モデルなので赤タブはついていません。　その代わりといっては何ですが、この通称ＮＲＡタグがパッチの左下に付いています。　ＮＡＲは全国復興庁の略称です。　リーバイスジャパンを経由して流通した日本製３３５０１にはこれは付いていません。
	○バックポケット　国内流通３３５０１と全く違う弧を描く１本針アーキュエイトステッチです。左右非対称なところやお世辞にも上手ではないアーキュエイトある意味良くできていると思います。　ポケット口はシングルステッチによる縫製です。　ポケット外周の縫製は内外別々の１本針縫製です。
	○センターベルトループ　かなり太め述べるとループです。日本製に比べて１ｍｍ強太いですがたかが１ｍｍされど１ｍｍ、すんごく太いです。　中央の膨らみはさすがリーバイスです。全くありません。ペラペラの板ガムみたいです。　取り付けられ方はなんと万歳です。すばらしい。
	○腰裏のステッチ　上部はシングルステッチです。
	○フロント周り　３３年モデルのためサスペンダーボタンが付いています。　ボタンがカチャカチャ鳴ってちょっと煩めです。
	○シンチ　国産はＭ字が付いていましたが、こちらの米国製は山型が付いています。どちらかというとこれはＭ字の方が針に加工できそうで好きです。
	○コインポケット　ＺＩＰＰＯを横にして入れて２　１／５個入ってしまうくらい大きいコインポケットです。コイン入れたらいくら入るでしょう。　ポケット口裏には耳が使われています。　ポケット外周の縫製は１本針で内外一気縫いです。この辺良く頑張っているなと感心します。
	○品質表示タグ　リーバイスジャパンを通したものでは流通しないタグが付いてます。まあそれだけですが・・・。　製造年月２０００年１１月、私の持っている日本製３３５０１よりも１年１１ヶ月早いです。
	○トップボタン　彫りの浅さ、綺麗さは残念なものの、なんと鉄ボタンです。これは凄い。後発の日本製３３５０１がアルミボタンなのに関心です。　と言うか、国産３３５０１は限定のクセに鉄ボタンにもしなかったのかとちょっとムッとします（笑）。　トップボタン裏は今は無き伝統のバレンシア工場製の証『５５５』の刻印が打ってあります。　トップボタン横のステッチは、Ｖステッチにも□ステッチにもなっていません。
	○股リベット　当然この年代のモデルですので股リベットが付いてます。
	○比翼裏　日本製３３５０１と違い、大戦モデルで有名な切りっ放しの股の処理が好感持てます。　股上が深いので比翼裏を見るとかなり長いですね。
	○セルビッチ　真紅のラインが紺と白の境目に入った綾耳です。耳幅は１．４ｃｍと細めの幅の耳です。
	○生地　日本製３３５０１とは全く違う生地です。こちらの方が横糸を茶に染めるような姑息な手段を使わず、真っ白な横糸を潔く使っていて好感が持てます。　オンスは低めですが、縦筋がしっかり出ていて、生地の感触としてはフラットヘッドのＳ２００４の生地を深く濃く染めたような生地感と色合いです。米国製リーバイスの生地としてはかなりヨサゲなのではないでしょうか。色落ちさせたい生地です。