1947年〜1950年代中期まで製造された革パッチの501XXです。通称47と呼ばれ、マニアの間でも完成されたジーンズと評価も高い第二次世界大戦直後のXXです。私の所持するこのXXは、ディテールをこれから見ていただけるとわかりますが、その中でも大戦直後の所謂大戦モデルから47への過渡期モデルです。 |
写 真 | 備 考 |
○全体図(正面) シルエットはやや太目のシルエットです。XXモデルというとレプリカジーンズではかなり太めに作られているものも多いですが、オリジナルを穿いてみるとそこまで太くないと言うことがわかるはずです。 |
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○パッチ 革パッチの廃止は1955年です。 革の柔らかさから見ると鹿革のような印象を受けますが、なにぶん経年変化があるので何とも言えないです。しかしレプリカジーンズのような厚みはなく、それがまだここまで現存しているのは神に感謝です。 微妙にトゥイッチしています。 |
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○タブ 片面刺繍のBIG−Eは、50年代中期までの物。 V字の太さも左右対称、カンマはヒゲ無しの『´』になっています。まだまだ丸まってくる様子はありません。 |
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○バックポケット 50年代に入るともっとスクエアなシルエットになりますが、大戦直後のこのジーンズのバックポケットの形はまだ大戦モデルの形に近いものになっています。 ポケット口はシングルステッチです。 ポケット外周の縫製は内側と外側を一気に縫う一筆縫いですが、一番下の画像を見ていただくと途中糸が切れたか無くなったかしてそこからまた縫製を始めています。このアバウトさはレプリカジーンズではなかなかお目にかかれません。 また、その外周の縫製の折り返し地点では、隠しリベットの避け方がビヤ樽のように隠しリベットの部分だけ丸く避けています。このような縫製もレプリカジーンズでは絶対にお目にかかれません。 |
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○センターベルトループ 47XXで、センターベルトループがずれていないモデルは初期タイプです。50年代に入るとほとんどのXXのセンターベルトループがオフセットされて取り付けられるようになります。ちなみに歴代501でセンターがずれているのは50年代のXXだけのようです。 |
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○腰裏のステッチ シングルステッチである。 |
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○トップボタン周り トップボタンは『★LEVI STRAUSS&CO★SF.CAL』の刻印で、フライボタンは『★LEVI STRAUSS&CO』の刻印が入っています。両ボタンとも下地が荒々しく、鉄製で彫りが深く、復刻やレプリカには真似のできない風格を持っています。 支柱は銅製の柱が使用されています。紙パッチのギャラ入りXXは、どうか判らないが、最終XXでは、この部分はスチール製になっている。(501EXX参照) トップボタン裏に刻印はまだなく、ややドーム状になっています。 Vステッチはやや鋭角でトップボタンの柱の下で終わっています。突き抜けて見えるのはトップボタンしたからはみ出していたVステッチの糸です。 |
○コインポケット 容量はZIPPOを縦に1.1個分の容量です。 ポケット口にはセルビッチが使われていますが、縫製はピンク色のラインに合わせて綿糸のシングルステッチが入っています。 ポケット外周の縫製は一筆縫いだが、外側がホームベース状で内側は半円状になっている。通常の501XXでも内側外側共にホームベース状の縫製のモノが多いのだが、このコインポケットのような縫製方法は大戦モデルに良く見られた縫製方法で、このジーンズが大戦直後の47XXだと言うことが良くわかると思う。 スレーキの形状は私がレプリカジーンズを見るときにもチラッと気にして見てしまうところであるが、大体のレプリカジーンズのスレーキの形は整いすぎていて、このようないい加減ともいえる袋状になっていない。この辺の大雑把感はやはりオリジナルにしか出せないアジなのだろうか。 |
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○リベット 銅製打ち抜きリベットを採用している。表側の刻印は、彫りの浅い刻印でやや中心寄りである。 |
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○隠しリベット やや丸みがかったスチール製の隠しリベットです。銅メッキが施され、パッと見は銅製の隠しリベットに見えますが、磁石をちかずけるとくっつきます。丸みがかったスチール製の隠しリベットは大戦モデルに多く、そのことからも47XXの中でも大戦直後のタイプになります。この微妙な丸みがレプリカには絶対に出せません。ホントは出して欲しいんですけど・・・。 |
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○比翼裏の処理 対戦モデル以前にしか見られなかった切りっ放しの比翼の処理がこのジーンズにもされていて、この47XXが大戦直後のモデルだと言うことを明確にあらわしています。 |
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○セルビッチ 耳幅は脚の左右でもかなり違うので平均の数字も出せないくらいランダムな綾耳です。 耳のラインの色はピンクです。 |
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○生地 自然な縦落ち感、粒を感じる生地のさわり心地、まさに絶妙とはこの生地のことを言うと思います。 どのメーカーも真似することがでずに素材でアピールや全く違うオリジナルの生地へ逃げてしまいましたが、 やはりこれこそ目標とすべき生地だといまだに思います。 そうでなければレプリカ系とは言えないし、こだわっているなんて口が裂けても言って欲しくないです。 ぜひどのメーカーもブランド立ち上げ当初の完全復刻を目指した思いを思い出していただきたいです。 |
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