505E オレンジタブ


 オレンジタブが誕生したのは’70年代初期の事である。その特徴はラインエイトと呼ばれる大量生産のための2本針による縫製と、簡素化された作りであろう。(レッドタブはラインセブンと呼ばれる1本針による縫製方法が採られていた)
 このオレンジタブであるが、505,517のようなプリシュランクデニムのジーンズしか私は見た事が無い。501や502のようなシュリンク・トゥ・フィットのデニムのオレンジタブは無いのだろうか。もっとも西部の肉体労働者にはリベット無しのややたよりなさそうなこのジーンズはあまり受け入れられなかっただろうとは思うが・・。
 簡素化された作りについては写真とともに解説していきたいと思うのでそちらを参照していただきたい。
 501に代表されるレッドタブの横道の収集に値段的な限界を感じていたときに、ふと廉価で私の目に飛び込んできたのが、このオレンジタブでした。オレンジタブについては、情報源が少なく、また、お店でもあまり完品を見かける事が少ないので、なかなかディテール的な時代考証が難しい。これをひも解いたら面白いのだろうが私にはそんな時間もやる気も無い。とりあえず種類を集めてそこから色々見ていくしか今のところなさそうである。
写              真 備              考
   ○全体図
 レッドタブの505に比べると、裾の向かってのテーパードが強い。
 もう一つBig−Eオレンジタブの特徴は505にしろ517にしろベルトループが7本あるところである。簡素化された量産型と言うわりに、不思議な個所である。
 残念ながらパッチは無いのでディテール項目からは外させてもらう。
  



○バックポケット
 レッドタブに比べると、アンバランスなくらい細長く不格好である。2本針で一気に縫われているので、レッドタブに見られるポケット口へ行くにつれて広がりを見せるステッチのカーブも見られない。
 表から思いっきりかんぬき止めされている。
 アーキュエイトステッチも心なしか中心部分が雑である。
 そして,バックポケット口裏のステッチは何とチェーンステッチである。
 
○タブ
 オレンジのレーヨン地に黒糸での刺繍である。レッドタブと比べても字体に差は見られなかった。


○ボタン周り
 ボタン横のステッチの処理は2本線のステッチである。オレンジタブの誕生は’70年頃の事なので、Vステッチである可能性はまず無いが、もちろん’66年前後にオレンジタブが誕生していたとしても、2本針での縫製をしていた事を考えればVステッチはありえなかったであろう。
○ジッパー
 タロン42フルオートマチックジッパー採用。これを見て思ったのだが、ジッパーについての簡素化はなかった模様である。もっと安いものは有っただろうに、やはりよく使う部分であるだけにリーバイスのプライドが有ったのだろうか。 


○コインポケット
 作りがレッドタブと全く違う部分の一つである。レッドタブはホームベース型のコインポケットを採用されているが、オレンジタブはフロントポケットから覗いてみるとポケットの処理に沿って円形にポケットの生地もカットされている。非常に簡素化された部分である。よって、レッドタブと比べると圧倒的にコインポケットの中に入れるものの容積は小さい物に限られる。
 リベットも無く、かんぬき止めで処理されている。
○アウトシーム
 もちろん耳などついているわけも無く、脇割すらされていない。インターロックと言う縫製である。面のアタリは絶対に期待できない。
 裾はチェーンステッチで縫製されている。

●ヴィンテージウエアが買えるお店
 ・アンビシャス
  ・INSTINCT
  ・ATOMICWARP
  ・ALABAMA WORLEY
  ・T・S・G
  ・カンフル
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