アースカルチャー　１００１Ｒ

　アースカルチャーはボブソンのヴィンテージライクなジーンズのラインナップにつけたブランド名です。廉価にもかかわらず力職機を使って織り上げた生地の良さが発売当初より密かな人気を博していました。このアースカルチャーの誕生は１９９４年まで遡りますが、それ以前にも１９９２年には『１９５０』と言う天然インディゴ染めの耳付きレプリカジーンズを作ったり（これは木箱入りで５００本限定でした。欲しかった･･･）、この１９５０をベースに広く廉価版として発売されたザ･ジーンズという耳付きジーンズ（確かシルエットを変えて３タイプくらいあったと思います。私は太目の１００１を穿いていたことがあります）を発売したりと、自社のレプリカよりもＸＸタイプに近いジーンズを精力的に作ってきました。

　その集大成と言うか、満を持して発売されたのがこのアースカルチャーシリーズです。それ以前の１９５０やザ･ジーンズは天然インディゴが薄く染まっているだけだったり、生地感がノッペリ気味でつまらない色落ちをしたりしたのに対し、このアースカルチャーは力織機を使って織った生地や綾耳、その他のディテールなどにもかなりのこだわりを持ったジーンズになりました。エドウィン、ビッグジョン、ボブソンの日本３大ブランドの中ではこのアースカルチャーが一番ＸＸタイプ系ジーンズを意識して作られたジーンズだと思います。

　その中でもこの１００１Ｒはアースカルチャーシリーズのフラッグシップモデル的存在でした。既に廃盤となってしまっていますので、気になる方はぜひお早めに購入されることをお勧めします。

写　　　　　　　　　　　　　　真	備　　　　　　　　　　　　　　考
	○全体図　股上は普通です。　シルエットは腰の部分が普通の太さ、ヒップ下部からレングスにかけてがやや太目のシルエットのパイプドステムストレートです。
	○パッチ　質感は違うものの、なかなかオリジナルのリーバイス５０１ＸＸに近い革の厚みで好感の持てるパッチでしたが、ボロボロに朽ちてきております。　パッチの取り付け方は腰帯上部を縫う際に一緒に縫い付ける一筆縫いです。この辺の縫製にも力が入っていることを感じられます。
	○タブ　表側にサークルＲがあり、裏面に赤い糸で目立たないようにＥＡＲＴＨ　ＣＵＬＴＵＲＥの刺繍の入ったレーヨン製タブが使われています。
	○バックポケット　ポケットの形状自体はあまりXXっぽくないです。ボブソンの得意の逆さアーキュエイトは付きません。　ポケット口はシングルステッチによる縫製です。　ポケット外周の縫製は１本針で内外別々に縫われています。
	○センターベルトループ　左側にオフセットされたベルトループ。中央の膨らみはほぼフラットです。　取り付けられ方は後付けです。
	○腰裏のステッチ　上部はシングルステッチです。
	○コインポケット　ZIPPOを入れると縦にしか入りませんが、中でかなり遊びがある程度の大きさです。　ポケット口裏には耳が使われています。　ポケット外周の縫製は２本針による縫製です。やっぱり１本針でなんていう要望はこのお値段では難しいのか･･･。
	○品質表示タグ　表裏とも細かいことが印刷されています。
	○リベット　ＥＣ＆ＣＯ－ＹＮ－の刻印の入った銅製打ち抜きリベットが使われています。こんな部分もボブソンは頑張っていたなと感心するところです。当時のリーバイスですら被せリベットから脱却できていなかったのに･･･。
	○隠しリベット　平たいタイプでＥＣ＆ＣＯ－ＹＮ－の刻印の入った銅製の隠しリベットが使われています。
	○トップボタン　『★EARTH　CULTURE★CLOTHING』の刻印の入ったアルミ製トップボタンです。下の４つのボタンも同刻印の小さくなったボタンが使われています。　Vステッチはかなり鋭角ですが角が微妙です。
	○セルビッチ　耳幅１．８ｃｍと普通の太さの綾耳です。ピンクの極太ラインが入っていますが、もうちょっと細い方が私的には好みです。
	○生地　かつてドゥニームと同じ生地を使っているというデマが極一部で流れたくらい生地は良いです。　ほっといても耳のアタリはキャタピラ状になりますし、点で落ちて線になるムラ感もかなり好感触を得られると思う生地です。　色は濃いものの、染めは見た目よりも深くないので色落ちの速度は普通だと思います。