これまでに3度発売されたタイプの違うs702XX。それらを一括して紹介します。 s702XX(10’sMODEL)は、1996年初めにジーンズブーム真っ只中の頃に鳴り物入りで限定発売された超人気モデルだった。店頭に出れば人気サイズは即日完売のような店も数多く、入手困難だった物です。私も毎日お昼に職場を抜け出してお店のチェックをして、今か今かと発売日を待ったものでした。もったいなくて履かなかったら自然と人気も下火になっていました。 s702XX(20’sMODEL)は、2タイプありまして、最初のモデルは1996年末に限定発売され、2回目は1998年末に大々的に生地からパッチまでかなりの変更をされて、限定発売されました。 最初のモデルのときは、10’sMODELの2番煎じ的な扱いを受けて、10’sMODELよりも余り爆発しなかったのですが、サスペンダーを嫌う人たちの人気はまずまずで、ちゃんと完売されました。かく言う私も2番煎じと思って購入を見合わせていたのですが、これではコレクターとしての名がすたると思い発売後かなりたってから購入を決意。探してもお店にはもう履けるものの在庫が無く、フリーマーケットや通信販売を探し回る日々を繰り返し、ようやくGETできました。 後発のモデルは発売当初から余り人気はパッとせず、501XXの影に隠れた存在のようだった。しかし、リーバイス初の縮むパッチやこのs702専用に織られた生地など、当時のリーバイスジャパンとしてはかなり力を入れた商品のようだった。 |
ここでの呼び方は、10’sMODELを10’S、最初の20‘sMODELを20’s、2番目の20‘sMODELをNEW20’sと呼ばせていただきます。 なお、計測の数値は気休め程度に考えてください。サイズがNEW20’sだけ、W34ですので。 |
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s702XX(10’s) 縮まない皮パッチに、細い印字。 XXの表記は無い。 |
s702XX(20’s) 10‘sと全く同じに見える。 実際同じだと思う。 |
s702XX(NEW20’s) 前2モデルと全く仕様を変えて縮むパッチを採用。印字も太くなった。 型押しも凹凸がある。 他の2つのパッチの欄外右下にJS−619と型押しされているが、このパッチにはJS−734と型押ししてある。何の番号? |
10’s 20’s NEW20’s |
○フラッシャー 10‘sと20‘sに違いは見られない。形態、印刷も同じ。ミニブックの内容も同じ。表に張ってあるシールが10‘sか20’Sかの違いだけ。このミニブックの中に、ご丁寧にペーパーラベルも昔のまま再現と書かれていたが、LEVI’Sの文字の上にかかるTHE RIVET’S STILL THEREは、表リベット仕様のこのモデルには必要の無い表示だと思うが・・。それだったらNEW20’sのようなペーパーラベルだけにした方が良いのでは。 しかし、このペーパーラベルの一番上にFOR OVER 145YEARSと記載されているが、これが、後に出てくる前ポケット裏の印刷との矛盾を生むことになろうとはこの段階では気がつかなかった私であった。 |
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○バックポケット 向かって左から10’S、20’S、NEW20‘sの順。 各モデルとも赤タブは無い。赤タブが付いたのは1936年9月1日からなので問題無し。むしろ赤タブをはずす英断を下したリーバイスジャパンに敬意を表したいくらいです。 各モデルとも打ち抜きの表リベットを使用している。 10’sは、他の二つに比べるとアーキュエットステッチの角度が浅い。 20’s同士で比較するとアーキュエットステッチの位置が、NEW20’sの方が下に移動している。 10’s、20’sのポケット上部のステッチは1本ステッチだが、NEW20’sは2本ステッチである。 ちなみにポケットの計測もしてみました。 10’s ポケットの幅 17.3cm ポケットの深さ 17cm 20’s ポケットの幅 17.3cm ポケットの深さ 17cm NEW20’s ポケットの幅 17.5cm ポケットの深さ 16.8cm |
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○バックポケット裏 上から10’S、20’S、NEW20‘sの順。10’Sと20’Sは1本のシングルステッチ、NEW20‘sは2本のチェーンステッチ。当時のヴィンテージを見たことが無いので何とも言えないが、チェーンステッチはちょっと・・・。 |
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○シンチ 1番上の写真は、上から10’S、20’S、NEW20‘sの順。 下の個別のアップは左から10’S、20’S、NEW20‘sの順。 10’Sと20’Sは真中がつながらない全く同じシンチを使用、NEW20‘sはつながっているシンチを使用。 左側のひもの比較 10’s 幅 太いところで3.2cm 細いところで2cm 先に行くにつれて1.2cmの先 細になっている。 長さ 14.5cm 20’s 幅 太いところで3.2cm 細いところで2cm 先に行くにつれて1.2cmの先 細になっている。 長さ 14.5cm NEW20’s 幅 太いところで3cm 細いところで2.8cm 先に行くにつれて0.2cmの先 細になっている。 長さ 14cm NEW20’sは、長さが短い上に、さほど先細になっていないので極端に太く短く感じる。 |
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○腰裏のステッチ 向かって左から10’s、20’s、NEW20’sの順。 各モデルともシングルステッチを再現している。 10’sはベルトループが無いので他の2モデルに見られるベルトループの縫い目は無い。 |
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○ボタン横のステッチ 向かって左から10’s、20’s、NEW20’sの順。 各モデルともVステッチを再現している。 角度も全て同じ角度だった。 |
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○トップボタンのアップ 向かって左から10’s、20’s、NEW20’sの順。 10’と20’sはつや消しされた平坦めのボタンを使用。NEW20’sは、さび加工されたドーナツボタンを使用している。好みとしてはNEW20’sに軍配を上げる。 各モデルとも、サスペンダーボタンにも同じボタンを使っている。 |
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○股リベット 向かって左から10’s、20’s、NEW20’sの順。 各モデルとも打ち抜きリベット使用。 刻印もL.S&CO−S.Fと刻印されているが、NEW20’sだけ、中心よりに目立たないように小さく浅く刻印されていて、ちょっと見ただけでは見逃してしまうくらい浅く小さい。 |
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○コインポケット裏 上から10’S、20’S、NEW20‘sの順。 10’S 平織りの耳付き。 ポケットの幅8.8cm 20’s 平織りの耳付き。 ポケットの幅8.8cm 赤ラインの上を黄色のステッチが走ってしまっている。 NEW20’s 綾織の耳付き。 ポケットの幅8.8cm 各モデルともポケットの幅が同じだった。 |
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○前ポケット裏の印刷 向かって左から10’s、20’s、NEW20’sの順。 なんと全ての印刷の書かれている内容が一緒だった。ただNEW20’sの布の材質だけは綾織の生地になっていた。 ここで、フラッシャーのところでも取り上げた気になる問題が起こった。NEW20’sのペーパーラベルにはFOR OVER 145 YEARSと、印刷されていた。なぜポケット裏の印刷は140?手抜き? って、細かい事言ってごめんなさい。 公務員ってこういう細かいところをつつく仕事が多くて・・・。 |
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○セルビッチ 向かって左から10’s、20’s、NEW20’sの順。 10’s 平織り 幅2.5mm 赤ライン 20’s 平織り 幅2.4mm 赤ライン NEW20’s 綾織 幅1.9mm ピンクライン 幅は裾で計測。 |
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○その他の計測等の比較(NEW20’sは、サイズが1インチ大きいため参考程度ですが) | ||
10’s ヒップ 34cm ひざ 25.5cm すそ 22.8cm |
20’s ヒップ 34cm ひざ 25.5cm すそ 23.3cm |
NEW20’s ヒップ 35.5cm ひざ 25.5 すそ 23.5cm |
意外でした。s702XX(20’sMODEL)は、10’sに、ベルトループを付けただけのマイナーチェンジ番かと思っていたのに、最後にこの計測をしてみたら裾で若干のシルエットの変更があったのです。すごい!とてつもない発見だ!と思っているのは多分私だけでしょう。まさにこのホームページのテーマ「自己満足」冥利に尽きる。 |