てつの自作ジーンズ第1号 XXタイプ


 このジーンズは私が岡山にある某縫製工場において工場の方にご指導&手助けいただきながら作ったジーンズです。2002年の穿きこみメインジーンズとして決定しました!
 タイプはこの工場で作っているXXタイプのパターンで作ったXXタイプで、生地もそのXXタイプの現行の生地を使いました(その他にも生地は選べましたが、これが気に入ったので採用しました)。この生地が帰宅後カミサンの評価がダントツ良くて、私のオリジナルXXと触り比べながら「感触がそっくりじゃない!良い生地使わせてもらったわね!」とのお褒めの言葉をいただきました!
写              真 備              考
  

○全体図
 股上は普通の深さ(グイッと上げて臍下くらい)で、太さは太く所謂一般的な日本人の体型に合わせるようなアレンジのないXXタイプです。そのメーカーの作っているタイプの中で、一番太いシルエットのパターンで作りました!
  生地はよりを極アマにして織ったオリジナルのあのクタっとした感じが良く出ているカミサンも絶賛の生地です!ザラ感もかなり私好みです。


○パッチ
 ごめんなさい!ブランドの物をそのまんま使わせていただいたので画像を出す事が出来ません。お許しください。<(_ _)>
 その代わりと言ってはなんですが、職人技な部分を一つ!2段目の画像はパッチのステッチ部分の拡大ですが、ヴィンテージ同様にパッチを1周してからまた腰上部のステッチに入るところです。最初に入ったミシン目と同じ所に針が入っているでしょ!すっげぇぇぇぇぇぇ!かっちょいぃぃぃぃぃぃ!職人技だぁぁぁぁぁぁぁ!ってもちろん私の仕事ではありません。この部分は工場の方にやってもらいました。(笑)
 でも本当に凄いですよね!私の持っている数々のレプリカでもこれほど完璧にミシン目を狙って縫製できているものは少ないッス!
○タブ
 作ってすぐに工業用洗濯機&工業用乾燥機にぶち込んだおかげで一発でレーヨンタブは丸くなりました!ちなみに片面Rタブです!
 



○バックポケット
 50年代に多く見られる四角に近い形のバックポケット。
 個人の趣味なのでアーキュエイトステッチも入れてしまいましたが、これがなかなか難しい!2本針でステッチを入れたのですが、器用に曲線を縫うだけでも難しいのに、ダイヤモンドポイントまでキッチリし上げるのは、ある程度慣れないと難しい事がわかりました。私の作ったダイヤモンドポイントは返しの角度を間違えたおかげでいびつになってしまいました。練習では完璧だったのでちょっと油断していました・・・。(涙)
 バックポケット一つ付けるにしても、色々な行程があり、運針をスムーズに行う難しさときたらこれはもう半端ではありませんでした。画像2段目、バックポケットの外周は1本針で縫って行くんですが、この前の行程で行う閂の位置及び引っ張り加減によっては、こんなに引きつったようになってしまいます!ホント難しい・・・。
 バックポケット口は2本針での縫製で当然シングルステッチです。折り返しのところをアタリが良く出るような折り方をしてあるのでステッチ間の生地が盛り上がっている。
○センターベルトループ
 私の持っている大戦直後のオリジナルXXになぞらえて、センターにセットしました!このベルトループもアタリが良く出るような巻き込み方でステッチされているので2本のステッチ間が盛り上がっています。業務用洗濯機、業務用乾燥機を使ったせいか、既にアタリが出始めています。
 
○腰裏のステッチ
 アイタタタタ・・・・・・。シングルステッチ部分をまっすぐにステッチできませんでした・・・。結構端っこをねらって縫って行くので、たまに臆病風吹かせて内側に行こうとしてしまうッス!本当に難しい。でもこの部分は一番ひどいと見られる部分を撮ってるだけですよ!他のところはもう少し上手です!(笑)




○コインポケット
 大きすぎず小さすぎない程よい大きさのコインポケットです。コインポケットの外周は2本針で縫製したんですが、作ってから私のオリジナルXXを見たら1本針で縫われている事に気がつきちょっと後悔!次に作るときは絶対に1本針で縫おうと誓いました!
 コインポケット裏は耳出し仕様にしました!

 スレーキは工業用乾燥機で高温で乾燥させたせいか、少し茶色みがかりました!しかしそれが古ぼけた雰囲気をもっていてGOODな感じに仕上がりました!ただ、次回つくりに行く機会があれば私のオリジナルXXみたいにもっと単純な袋っぽい形にしようと思います。
   ○リベット
 スコーヴィルの打ち抜きリベットですが、リベットはブランドの刻印の入ったものを使いまして、表側を見せられませんのでモザイク入れさせて頂きました。ご了承ください。 
○隠しリベット
 スコーヴィル製隠しリベットです。せかくだから作っているときにメス部分がどういう形なのか撮っておけばよかったと後悔しているッス!(製作途中はそんな余裕はありませんでしたけど・・・(汗))


  
○ボタン周辺
 Vステッチに入るまでの垂直の部分のステッチがまっすぐに出来ませんでした!言い訳させてもらいますと、生地の厚いところと薄いところがあるものを、ド素人が最初からまっすぐに運針できるわけが無いッス!(って超開き直り!(笑))

 トップボタン裏は無刻印ですが、機械でのボタン嵌め込みだったので取り付ける際に打ち込んだ跡が出来ます。そう言えば私の持っているレプリカにもこんなような物があったような気が・・・。ボタンの柱がアルミ製だったので、この柱が銅製のものは無いものか今度作りに行くときは聞いてみたいッス!
○比翼部分の失敗
 この部分を縫製するときには、ボタンホールの比翼の部分が表のカバーになるところよりも出ないようにして縫わないといけないのですが、下のボタンホール部分の方が出てしまいました!(ガァァァン)
 このボタンホール側の部分が見えてしまっていると、ボタンを閉めたときでもボタンが顔を出してしまうので、ボタンがはまっているのに外れているように見えてかっこ悪いんです!ボタンがちょっと見えていやらしいです!気にしているからかもしれませんが結構目立つし・・・。(鬱)
○股部分
 股の補強はかなりいびつになってしまいました。フライ部分の生地の厚みなどの段差をうまく乗り越えられず、かなり難しかったです!
 ただ、前身と後ろ身の股のあわせ部分はほぼ同じに収まったのでこれにはかなり満足しました!この部分は片足の裾の部分からスタートするので、変に力が入っていたりするとこの股の中心のところがずれてしまうそうです。今回はその失敗が無かったので、偶然とは言え嬉しかったです!(嬉)


○パンクした部分
 お尻の部分を裏から見た画像です。しっかり巻き込んで縫わなかったために生地がしっかりステッチに通らずに、洗った後パンクしていました!(下が拡大図)
 この部分はパターンを裁断するときにカーブになるところで、カーブを切るのを初めて経験する私には非常に難しく、かなりいびつに切ってしまった所だったので、巻き込みがうまくいかなかったのではなく、それ以前に巻き込めなかったのかもしれません。見えないところでよかったと胸をなでおろしていますが、次回機会があったときにはこのようなミスは絶対にしないようにしようと誓いました!
○セルビッチ
 既にウネウネが出始めているセルビッチです!耳の色はオリジナルに近いピンク色です。私が縫った為当然耳の幅にはムラが出て、それがまたオリジナルっぽくて私としては大満足でした!

○作成後の感想&反省
 今回は初めての経験だったので遠慮がちになってしまい、自分で希望できたのは縫製糸を私の持っている大戦直後のXXと同じオールイエローにすることだけでした。次回行く機会があったら(というかすでに行く気満々ですが(笑))今度はパターン、バックポケットの形状やコインポケットの縫製の仕方など、自分で出来る範囲のわがままを言って、私の持っているXXに更に近い形の物を作りたいと思いました。
 あと、作っているときは失敗した部分も「手作りのアジさ!」と思いがちですが、完成後はその失敗したところが妙に気になり、何度でも糸を解いて再挑戦すればよかったと思うところもありました!

 今までは単にジーンズに対する薀蓄を知識だけでノベノベしていましたが、作ってみて本当に作り手の大変さがわかりました。「今まで偉そうに薀蓄ばかりたれててごめんなさい!私が悪かったです!」とやや反省しちゃいました!これからは各メーカーのジーンズについてももっと愛情を持って、しかし「あらら!ここは手抜きだねぇ〜!」と厳しい目をもって接していけそうです!(でも薀蓄はたれないようにします・・・)

 しかし作ってみてわかりましたが、自分で作ったジーンズって買ったものよりも全然深い愛情で接する事が出来るッス!この感動を購入したものにも向けていきたいと思います。大変良い経験でした!

 最後にこのジーンズを作るのに時間を割いていただきました工場の方々に感謝の言葉を送らせて頂きます。本当にありがとうございました!皆さん本当に気さくで素敵な方々でした!


レプリカジーンズの部



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